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種田山頭火
 分け入っても分け入っても青い山
 笠にとんぼをとまらせてあるく
 新しさは発見であり 独創であり 生みの力である
 山頭火 俳句は魂の詩だ
 どうしようもないわたしが歩いてゐる
 焼き捨てて日記の灰のこれだけか
 いそいでもどるかなかなかなかな
 ほうたるこいこいふるさとにきた
 いつも一人で赤とんぼ
 音はしぐれか
 春風の鉢の子一つ
 やっぱり一人がよろしい雑草
 何を求める風の中ゆく
 曼珠沙華咲いてここがわたしの寝るところ
 さくらさくらさくさくらちるさくら
 一羽来て啼かない鳥である
 蛙になりきって跳ぶ
 朝湯こんこんあふるるまんなかのわたくし
 濁れる水の流れつつ澄む
 雨をためてバケツ一杯の今日は事足る
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